カード紹介&解説

カードに登場する手塚キャラクターとキーセンテンス、発想の広げ方などについて解説します。


ガロン「あえて嫌われそうなことをしてみる」

『魔人ガロン』 ~「冒険王」1959.7~1962.7連載

異星人が地球人をテストするために送りこんだ巨大ロボット。

理性を持たず、馬鹿力で大暴れし、当初は皆から嫌われます。

ガロンは核技術を含めたテクノロジーの象徴であり、人類がこの怪物をどう使うかを見極めたうえで、どうつきあうか態度を決める、というもの。

 

一般的には、ブランドの好意度を上げるために何をしようかと考えます。

しかし、あえて嫌われるような振る舞いをすることで人気を博すケースもあります。

東ハトの「暴君ハバネロ」はその典型です。

発売時世界一辛いトウガラシ・ハバネロを使用したスナックで、2003年に発売。8カ月で累計出荷数2000万袋を記録するなど、激辛ブームを再燃させました。

しかし、売れたのは激辛味のせいだけではありません。

「暴君ハバネロ」というキャラクターを設定し、「暴言甲子園」「暴大入試」「暴魔大戦」といった怪しげなwebコンテンツを通じて展開したのは、客を罵倒する、バカにする、裏切るといった前代未聞のコミュニケーション。

このインタラクションが、「ネットの流儀」が進展しつつあった当時の環境下で、大いに受けたのです。

ビートたけしさんも決して客に媚びることはありませんが、それでも様々な世代からの支持を集めてきました。(あのトランプ大統領も同じかも知れませんが)

 

建前のキレイごとではなく、本音をぶつける潔さが受けたということです。

「嫌われ者だけど愛される」ようなブランドをどうつくるか、改めて考えてみませんか?